【活動報告】三江線廃線トンネルが救世主にニホンウナギ完全養殖...
本日は、江津市内にある旧JR三江線の廃線トンネルを利用した、ニホンウナギの完全養殖研究現場を視察いたしました。
日本の食文化に欠かせないウナギですが、その資源量は全盛期の10分の1以下に激減しており、絶滅危惧種に指定されています。卵から育てる「完全養殖」の確立は、食糧安保と資源保護の両面から喫緊の課題です。
廃線跡を「擬似深海」として再利用
今回の視察先では、三江線のトンネルという特殊な閉鎖環境を、ウナギの産卵回遊ルートの再現に活用しています。
マリアナ諸島へ向かうウナギは、日中は水深800m(約5度)、夜間は水深200m(約25度)という劇的な水温変化を繰り返しながら移動するそう。
トンネル内は以下の理由から、この環境を再現するのに最適です。
• 光の完全遮断: 深海と同様の暗闇を維持し、ウナギのバイオリズムを正確にコントロールできる。
• 安定した外気温: 年間を通じて気温変化が少なく、精密な水温制御を効率的に行える。
• 低コストな研究基盤: 廃線となったインフラを「天然のラボ」として転換し、有効活用している。
◾️研究の目的と期待される成果
現在、完全養殖における成熟促進は「ホルモン注射」に頼る手法が主流ですが、1匹あたりの生産コストが極めて高いという課題があります。
本研究(トンネル内での水温変化と暗闇による飼育)を通じて、ウナギが自然に「産卵スイッチ」を入れるメカニズムを解明できれば、以下の成果が期待できます。
1. 生産コストの大幅低減: 自然な成熟を促すことで、商業化に向けたコストダウンを図る。
2. 持続可能な供給体制: 天然のシラスウナギに頼らない、完全養殖ウナギの安定供給。
3. 地域資産の価値再発見: 廃線という地域の記憶を、世界最先端の技術革新の場へと塗り替える。
◾️島根発、産学官連携のイノベーション
このプロジェクトは、近畿大学の研究チーム、高い空調技術を持つ民間企業、そして行政やJRが連携して進められています。
三江線の廃線跡という地域の未利用資産が、世界的な課題解決の拠点となっている現場を目の当たりにし、これからの研究に期待です。






