【刃物鍛冶職人という生き方】

西日本で唯一の刃物鍛冶職人。
刀鍛冶はたくさんいるが、刃物鍛冶はいまや全国に指を折れる数しかいないらしい。
100年以上前から4代続く刃物鍛冶の職人さんが、故郷出雲にいたことを知り、
ぜひ現場で話を聞かせてもらいたいと懇願し訪問。
市内から山間に15分行ったところにある。
訪ねていくと自宅の横に、代々受け継がれているであろう古い機械があり、
熱気のある炉が1つある小さな作業場があった。
明治維新で八幡製鉄所をはじめとする洋鉄技術が輸入される前は、
たたら製鉄による全国一の製鉄産業で栄えた島根県。
家の目の前にある川に磁石を持って入ってたった砂鉄つなぎにしながら、
県内で精製された鉄と鋼を高度な熱で叩きながら、薄い刃物をつくっていく。
焼入れ温度が、鋼は900℃、鉄は1200℃で異なる温度であるため絶妙に扱いが難しいらしい。
そして、ずっと火を炊いた炉の前での作業は、体感はサウナに入ってるのと変わらない。
汗だくの成せる技であるがゆえ、夏場は朝早くの涼しい時間帯に集中しておこなう。
火に入れては薄くなるまで叩き、最後は研ぎの過程を経て、鋭い刃物をとなっていく。
そんなプロセスを間近で見せていただきながら、職人の技術に触れた1日であった。
できた包丁は軽くて、切れ味抜群であることは言うまでもない。
そして、すごいのが切れ味が悪くなったら、研ぎを無料でやってくださるサービスつきであるらしい。
おったまげる。(驚きである。)
近年、海外からくる欧米人は、日本の刃物を大量購入していくと聞く。
ご主人に聞くと、都会の展示会にでれば、国内、海外のいろんな人が買って帰るらしく、いまでは受注生産のよう。
この作業行程をみながら職人の想いに触れてもらえるツアーができたらと勝手に妄想した。
島根には、そんな世界に誇れる手仕事、伝統芸能、民藝がたくさんある。
こういう作り手のみえるもので溢れた暮らしは、贅沢である。
それが、島根の豊かさであり、価値のひとつであると最近感じます。
出雲に来られた方、わたしでよければご案内します!ペティナイフであれば自分でつくることもできるらしいですよー!
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