■もりやま現場レポート

『知ってほしい”酪農”の現場最前線』
きょうは酪農家をおたずねし、お話を伺いました。
5年くらい前はバター不足が騒がれたのに象徴されるように需要過多で、政府も積極的に供給量を増やす方針であった酪農。
当時、意欲ある酪農家ほど設備投資をし飼育頭数を増やしたのだそう。
牛が誕生してから乳が絞れるまで、2年。
大切に育て、やっとたくさん絞って消費者の方々に供給して、投資回収できる段階にきたとおもったときにコロナの直撃。
学校給食の停止や外食産業ストップの影響で、脱脂粉乳をはじめする乳製品の在庫超過。
結果、どれだけ絞っても売れない。
捨てなければいけないこともある。
牛舎の掃除も、牛が食べる飼料の仕入れも、なんためにやっているのかわからなくなる。
そこにきて、飼料価格の高騰、重くのしかかる電気代。
今年にでも、牧場を畳まなければならないかもしれないほど、苦しい現状。
その中でも、地域で経済循環させたいから、地元産の飼料を使おうと思っても、保管スペースの問題で使えない現状。
結局、海外から仕入れた飼料をつかわざるをえないという課題。
島根県からも見かねて飼料への補助金はでるが、そういった現状がゆえにその補助金は結果的に海外に流れていく。
牛の堆肥は農業にも活用されるで、それも収入源にもなるが、農業の先細りによりそれも売り先が減っている。
そんな酪農の現場最前線のお話を牛舎で聞かせてもらいました。
僕らは、命をつなぐ農業や酪農のこれからにどう向き合っていくべきか。
このままでは、僕らの食卓の当たり前も変わる。
きょうお話を伺った酪農家の方は、30代半ばの方で本当に想いと志を持って牧場経営のみならず、次代のふるさとのことを考え、強い問題意識をお持ちで、素人の私に丁寧に現場のことを教えてくださいました。
きょう私にできることは、今日現場で聞いたことを1人でも多くの方に知ってもらうことだと思い、まずは発信してみました。
この課題は、かなり複雑に問題が入り組んでいます。政治だけで解決できる問題でももちろんありません。
ただ、向き合っていきたい。
現場に行かないとみえない課題がたくさんある。
いま、こうやって地域を歩いてみてはじめてみえる景色があるから、そこで感じたことを1人でも多くの人と共有し、対話したいです。

